民事訴訟における公示送達の意味と要件
公示送達とは
公示送達とは、居場所のわからない被告に対して、法的に送達したとみなされるものです。
裁判所が公示送達を認めることにより、送達文書が官報や裁判所に備え付けの掲示板に掲示開始された日から2週間後にその効力が発生します。
外国にいる相手に公示送達を行った場合
外国にいる相手の住所が不明で公示送達を行った場合に限っては、掲示開始してから6週間後に効力が発生します。
日本に在住している相手とは、効力発生基準がかわりますので注意が必要です。
外国においてすべき送達についてした公示送達にあっては、前項の期間は、6週間とする。
民事訴訟法第112条
掲示開始の翌日から効力が発生するケース
前述の通り、基本的に公示送達の効力が発生するまでに2週間と定められていますが、同じ相手に対して2回目の公示送達を行う状況に限っては、掲示を開始した翌日に効力が発生します。
第110条第3項の公示送達は、掲示を始めた日の翌日にその効力を生ずる。
引用:民事訴訟法第112条
同一の当事者に対する2回目以降の公示送達は、職権でする。ただし、第1項第四号に掲げる場合は、この限りでない。
引用:民事訴訟法第110条
公示送達の要件
裁判所にて原告からの訴状を受理し、被告となるものに対して必ず当該訴状送達してから初めて審理が開始されるのは、訴訟を行う一般的な流れになります。
このときに被告宛てへ「特別送達」として訴状を郵送されるのですが、相手方の住所や勤務先が不明な場合や相手方が死亡し相続人が不明な場合に「公示送達」を利用することができます。
前述とは逆に、相手方の住所や勤務先が判明しているにもかかわらず、居留守などを使われて特別送達を受け取らなかった場合は、「付郵便送達」という送達方法を利用します。
裁判所が公示送達を認めた場合は?
裁判所が公示送達を認めた場合、官報という政府が発行する新聞のようなものに掲載したり、裁判所敷地内にある掲示板にその内容を掲示されます。
このような官報であったり裁判所の掲示板は、一般の方にしてみると滅多に見ることがないと思います。
よって、裁判所にて公示送達が認められ実施された場合、相手方は訴訟を起こされた事実を知ることがないままになります。
ここまでの流れを見ると非常に原告側が有利に見えますが、その反面、被告側にとって非常に不利な状況になることから、裁判所は簡単に公示送達を認めません。
公示送達は擬制自白は成立しません
「擬制自白」とは、一般的に言われている「欠席裁判」であり、一般的に民事訴訟にて被告が欠席した場合において原告が勝訴するものです。
ここで問題になるのが、公示送達を行った訴訟は擬制自白は認められないという点です。
擬制自白が適用されない場合には、証拠による立証が求められることになります。
とはいえ、訴訟を起こす際には必ず証拠があるからこそ提訴しますので、原告側の勝訴になる確率は非常に高いと言えるでしょう。
裁判所に公示送達を認めてもらうためには?
裁判所に公示送達を認めてもらうためには、相手方の居所や勤務先が不明な事はもちろん、それを立証する住居所調査が必要になります。
そして、公示送達の要件を満たす根拠を的確に示す調査報告書を提出しなければいけません。
この住居所調査は、特殊な調査手法を用いたりすることもありますし、調査報告書の記載も、付郵便送達を含めて記載方法にコツがあります。
よって、余程の自信がない限りは、委任している弁護士様や司法書士様、探偵興信所に依頼することをオススメします。
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